「千夏子ちゃん、本当にこの店でよかったの?」
「はい! 色々迷ってはいたんですけど……SNSでこのお店の大きすぎるサイズのメニューを見てから、ずっと食べてみたいと思ってたんです!」
「そっか。何でも好きなものを頼んでいいからね」
「はい! わ~、何にしようかなぁ」
ワクワクしながらメニュー表をめくっていれば、目の前から生温かい視線を感じる。
顔を上げてみれば、何て言えばいいかな……小さい子を見守るお父さんのようなまなざしをした一色さんがいた。
「あの、すみません。一人で騒いでしまって……!」
はしゃぎすぎてしまったことを反省しながら、私の隣で今にも眠ってしまいそうな慎くんの肩を軽く叩く。



