「それにな、お父さん、とっておきの情報を仕入れてきたんだ」
「……とっておきの情報?」
――何だか怪しい匂いがする。
思わず疑うような目を向けてしまったけど、とりあえず、もったいぶっているお父さんに続きを促すことにする。
「教えてよ、そのとっておきの情報が何なのか」
「実はその跡取り候補たちは、皆揃って、好みの女性のタイプが同じらしいんだ!」
「それって、どこ情報なの?」
「組長さん直々に教えてもらったから、間違いないはずだ。その好みのタイプがな……」
そして、お父さんから聞いた情報を頭に入れた私は、仕方なく覚悟を決めることにした。
三日後に、桐野江家に赴くことにしたのだ。



