「後で送りますね」 「うん、ありがとう」 「そうだ、千夏子さん。良ければ俺とも一枚撮ってくれませんか?」 「え? 私と?」 「はい。せっかくですし、記念に」 そう言ってスマホを構えた玲くんと一緒に、ツーショットも撮った。 「ありがとうございます」 「ううん、こちらこそありがとう」 「それじゃあ、ここからは校舎が違うので。また後で」 そう言った玲くんは、中等部の方に向かって行く。 ――そこでようやく気づいた。 玲くん、わざわざ高等部の校舎までついてきてくれたんだって。