「千夏子さん、そろそろ出ないと本当に遅刻になるので行きましょう」
「うん、そうだね。あ、カバン預かってもらったままだったね。ありがとう」
「いえ、これくらい気にしないでください。……それ、もしかして慎のためにわざわざ用意したんですか?」
「うん。少しでも食べておかないと持たないと思って。慎くんは準備、できてるのかな?」
「はい。千夏子さんのおかげですよ。千夏子さんがいなかったら多分、入学式にも参加しなかったと思いますし」
呆れ顔の玲くんと一緒に玄関に向かえば、そこには慎くんを含めたその他三人も勢ぞろいしていた。
「はぁ、入学式とかダルすぎぃ~。つーか何で俺らまで授業があるわけ?」
「ふあぁ、まだ全然寝足りない……っていうかこんな朝早くから動きたくない……」
「おい、目開けて歩けよ。危ねぇだろ」
「皆自由だねぇ」
上から順に、由紀さん、慎くん、一哉くんに、一色さんだ。
こうして並んでいる姿を見ると、血の繋がりがないとはいえ、桐野江家の男子たちは美形ぞろいなんだなって改めて感心してしまう。



