【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「――うん、うん。大丈夫だよ。こっちのことは気にしないで。写真? そんなの別に……もう、わかったよ。ちゃんと送るから。それじゃあね。お父さんも、仕事頑張って」


通話を終えて、ふぅ、と一息つく。


四月上旬。

春麗らかな今日は、高校の入学式だ。


本当はお父さんがきてくれる予定だったけど、割のいいバイトが入ったとのことなので、そちらを優先してもらった。
(お父さんは、バイトをしながら絶賛就活中なのだ)


だけどお父さんは式に参列できないことをすごく申し訳なく思っているみたいで、せめて写真だけは送ってくれと頼まれてしまった。

娘の晴れ姿をこの目で見ることができないなんて自分は何て情けない不出来な父親なんだとか、色々と言っていたけど……。

まぁ無視すると面倒くさそうだし、あとで自撮り写真でも送ってあげようかな。