「おっは~。千夏子ちゃん、昨日はよく眠れたぁ?」
縁側から挨拶をしてくれた銀髪の彼は、美波由紀さん。
初日から気さくに声を掛けてくれるし、悪い人ではないんだろうけど……スキンシップが激しめだから、少し苦手意識がある。
昨晩も、私がお風呂に入ろうとしたら当然のように脱衣所に入ってこようとして、怒った杉下さんに連行されていた。
「美波さん、おはようございます。はい、ぐっすり眠れました」
「ほんとに? 何なら今夜は、俺が一緒に寝てあげてもいいよ?」
「え……いえ、遠慮しておきます」
「え~、千夏子ちゃんガード硬すぎねぇ? だいじょーぶ、ちょっと触るくらいで、まだ何もしねぇって。あ、あと美波さんとか堅苦しいからさぁ、由紀でいいよ」
サンダルを履いて庭に下りてきた美波さん――これからは由紀さんって呼ばせてもらおう。
由紀さんは、グイグイ距離を詰めてくる。



