「……まさに落とし合い、だね」
少し離れたところで私たちを見ていた尊さんは、薄っすらと微笑みながら、小さな声で何かつぶやいていた。
だけどその声は誰の耳に届くこともなく、さぁっと吹いた気まぐれな風の音と共に消えてしまった。
***
ただの、お遊びだったはずだ。
まさかそこに特別な感情が芽生えるだなんて、そんな未来、誰も予想していなかった。
けれど、その感情を自覚した時。
そして、真実が晒された時。
――さぁ、先に落ちるのは誰なのか。
恋の落とし合い(ゲーム)は、まだ始まったばかりだ。
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