「確かにその二人と一緒にいましたけど、疚しいことは何にもありません。友達みたいな関係なんです。ただ一緒に出掛けていただけで誑かしてるっていうのは、少し無理がありませんか?」
「それは、そうかもしれないけど……」
私の言い分に、久美さんも納得できるところがあったのか、言葉尻をにごした。
だけど今度は、別の話題を振ってくる。
「そ、それにあなた、お父様が借金をしているんでしょう?」
「はい、してます」
「それじゃあ由紀たちにも、お金目当てで近づいたんじゃないの?」
これについては、久美さんが言っていることは大体合ってるっていうか――桐野江家に住むことになった理由としては間違ってないから、何も言い返せない。
私が黙り込むと、久美さんは勝ち誇ったような顔をして腕を組む。



