「確か、前にデパートでお会いした方ですよね?」


恐る恐る聞いてみれば、お姉さんはカッと目を見開いた。


「そうよ! 鈴木久美! 二十歳! 由紀の彼女! ……になる予定だったのに、あなたに邪魔されたのよ!」


――そうだ、久美さんだ。

あの時、由紀さんがそう呼んでいたのを思い出す。


そもそも、どうして私が久美さんとカラオケ店にいるのかといえば、学校帰りに一人で歩いていたところを、話があるっていう久美さんに捕まったからなんだよね。

というか今、邪魔されたって言われたけど……。


「私、何か邪魔したりしましたっけ?」

「したじゃない! 私と由紀のデートを邪魔して、由紀を奪ったでしょう! しかも他のイケメンたちまで誑かして……最低よ! この女狐!」

「えぇ……」