某カラオケ店の、とある一室にて。
パーティールームであるこの部屋は、普通の部屋よりも広めの造りになっている。
そこで私は今、綺麗な女性と向き合っていた。
茶髪ロングで目鼻立ちのはっきりとしたお姉さんは、私を射抜くような目で見つめている。
目力がすごい。その視線だけで、私の顔に穴が開いてしまいそうだ。
「あのぉ……」
「……何よ」
「用がないなら、もう帰ってもいいですか……?」
ソファ席から立ち上がって扉の方に向かおうとすれば、出入り口付近に控えている男性に、通せんぼされてしまう。
実はお姉さんと私意外に、この部屋には五人の男性がいた。
スーツを着ている彼らは、私の知らない人たちだ。つまり、目の前のお姉さんの知り合いということで。
……もしかしてこのお姉さんって、お金持ちのお嬢様だったりするのかな?



