お茶目にウィンクをした祐樹くんは、言葉通り、心から安心したような表情で笑っている。
祐樹くんは血の繋がりがあるわけじゃないけど、小さい頃から知っているし、本当のお兄ちゃんみたいに思ってるんだ。
だから、久しぶりにこうして顔を見て話すことができて、何だか安心したっていうか……心が軽やかになった気がする。
「あ、もうこんな時間。祐樹くんと話してるのが楽しくて、すっかり遅くなっちゃった」
「あら、嬉しいこと言ってくれちゃって。それじゃあ今度は、お休みの日に改めてデートしましょ。最近、パフェがとっても美味しいお店を見つけたのよ」
「え、本当に!? 行きたい! 絶対だからね!」
「ふふ、はいはい。行ける日を確認して、また連絡するわね」
お店の前まで見送りにきてくれた祐樹くんと次に会う約束をしていれば、誰かに手を引かれた。
そのまま引き寄せられて、抱きしめられる。
「アンタ、誰? もしかしてナンパ?」
抱きしめられていて顔は見えないけど、上から聞こえてくる声は、慎くんのもので間違いない。
……っていうか、どうして私は抱きしめられてるの!?



