【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「さっきの、平気な振りして耐えてた千夏子ちゃん、可愛かったよ。そそる顔してたわ」

「なっ……」

「そんじゃあね~」


意地悪な顔で笑った由紀さんは、ひらりと手を振って行ってしまった。


――私が照れていたことは、女性慣れしている由紀さんにはお見通しだったみたいだ。

隠せていたと思っていただけに、ちょっぴり悔しくなってしまう。


私も由紀さんの後に続いて校門を出て、今日は用事もないのでまっすぐ帰宅する。

それにしても……。


(まさか私が、女子から呼び出しを受ける日がくるなんてなぁ)


現実でもこういうことってあるんだなって、しかも自分が経験することになるなんて思ってもいなかったから、何だか不思議な感じがする。