「……千夏子。やっぱりお父さんと一緒にアメリカに行こう。ここは危険だ! 純真無垢な千夏子が汚される……!」


慎くんたちの会話を聞いたお父さんは、顔を蒼くしてぶるぶる震えている。


「おとーさん。心配しなくても、千夏子ちゃんのことは俺らがちゃ~んと見ておくんで。安心してください」

「き、君にお父さんと言われる筋合いはないぞ!?」


ニヤニヤ笑っている由紀さんに、お父さんはムキになって言葉を返す。


――というかお父さんは、私にこの中の誰かのお嫁さんになってほしいんじゃなかったの?


矛盾したことを言っている気がするお父さんに呆れてしまいながらも、苦笑いでやりとりを眺めていれば、いつの間にかすぐそばに来ていた組長さんに話しかけられた。