「ち、ぢがごぉ……」

「ちょ、ちょっとお父さん、泣きすぎだよ!」

「お、俺は、じあわぜものだぁ……こんなに親孝行なむずめをもっで……!」


子どもみたいにえぐえぐと泣いているお父さんの姿を見ていたら、強張っていた肩の力も抜けて、笑みを漏らしてしまう。

お父さんのこういう真っ直ぐで素直なところが、やっぱり私は好きだなって。


「話はまとまったみてぇだな」


一部始終を見ていたらしい組長さんが、楽しそうに笑いながら歩いてきた。


「啓治さん。千夏子さんはこのまま(ウチ)で預かるってことでいいんだな?」

「っ、はい。辰寿さん。娘のこと、どうかよろしくお願いします」

「あぁ、任しておきな」

「それから、君たちも……千夏子のこと、よろしく頼むよ」


お父さんは、私の後ろで見守ってくれていた慎くんたちにも頭を下げる。


「はい、任せてください」


尊さんの言葉に、お父さんは安心した様子で微笑んだ。