「千夏子の父さん、すっげー落ち込んでるみたいだったけど……何があったんだよ」
「その、実はね――」
私は、慎くん以外の四人にも、お父さんからアメリカに行こうと言われたことを話した。
それから、お父さんが元同僚に騙されて多額の借金をしていることや、今はそのお金を組長さんが肩代わりしてくれていることも。
「それで千夏子さんは家を飛び出したんですね」
「うん……」
「まぁ千夏子ちゃんがアメリカに行くとか、そんなの俺らは認めねぇけどな」
「千夏子ちゃんがいなくなったら困るしね。だよね、一哉」
「な、何で俺に振るんだよ! ……まぁ、千夏子がいなくなんのは、俺も反対だけど」
話を聞いてくれた四人は、私がアメリカに行くことは反対だって言ってくれる。
「それじゃあ私、ここにいてもいいの……?」
「はぁ? 今更何言ってんだよ」
「だ、だって私は、部外者なのに……まだ桐野江家でお世話になってもいいのかなって」



