【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「あ、千夏子ちゃんみーっけ」

「千夏子さん、大丈夫ですか?」


そこに現れたのは、慎くん以外の桐野江家男子たちだった。


「あれ? 千夏子ちゃん、何かあった? 何だか顔が赤いような気がするけど……」

「な、何でもないです!」

「そう?」

「……あ。多分それは、俺が千夏子にき…「あ~!」


私の顔が赤いことに目敏く気づいた尊さんに尋ねられる。

誤魔化そうと思ったけど、慎くんが余計なことを言おうとするから、思わず大きな声を出してしまった。


「な、何だよ、突然でかい声出して……!」

「あ、あはは……その、早く戻らないと、お父さんが心配してるかなって思って!」


ビクリと肩を震わせた一哉くんは、私の言葉を聞くと、眉を寄せて心配そうな顔つきになる。