【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「まぁ、泣き顔も悪くはないけど……千夏子はのんきに笑ってる顔のほうが似合ってるよ」

「のんきって、それは褒めてるの?」

「褒めてるよ。俺、千夏子が笑ってる顔見るの、好きだし。可愛いから」

「かっ……」


――慎くん、今、可愛いって言ったよね? 

どうしてそんなことをサラッと言えちゃうんだろう。


もしかして……こういうことを誰にでも言ってるのかな。

勘違いしちゃう女の子だって絶対にいると思うんだけど。


「……この前は、私のことブサイクって言ったくせに」

「えー、俺そんなこと言ったっけ?」

「言ってました! それに……そういうことは、誰にでも言わない方がいいと思うよ?」

「何で?」

「何でって……」

「でも俺、千夏子以外の女子に可愛いとか思ったことないし。他の誰かに言う予定もないから、それなら問題ないでしょ?」


――もしかして慎くんって、天然たらしだったりする?

茶化した感じもなく、いたって真面目な顔をして言ってくるから、私の心臓はさっきからドキドキしっ放しだ。