「なぁなぁ、俺いいこと考えたんだけどさ。ゲームしねぇ?」
突然、含みを持った顔で笑った由紀が提案する。
「は? ゲームだぁ?」
「そ。千夏子ちゃんを、誰が一番に落とせるかゲーム」
訝しげな顔をする玲に、由紀は、語尾にハートマークでも付いていそうな甘ったるい声で概要を伝える。
「つーかそれ、前にもやったことあっただろ」
「あー、あん時はひどかったな。俺とマミちゃんが空き教室でヤッてる最中に、玲が入ってきてさ。あの時のマミちゃんの焦りよう、マジでウケたわ。玲とは何でもないのって、必死になって縋りついてきてさぁ」
「マミだぁ? あの時の女はサキだろ」
「えーそうだっけ? 過去に遊んだ女のことなんて、一々覚えてねーからなぁ」
由紀と玲は、以前、騙して遊んだ女子生徒のことを思い出しながら話す。
そんな二人の会話に、一哉は引いた顔をしながら、冷めた目を向ける。



