「まぁ落ちつけ。……ワシらも鬼やないからなぁ。今日中に払えん言うなら、一個提案したいことがあるんやけど」
「……何ですか?」
「千夏子ちゃんが働いて返してくれたらえぇよ。ウチが贔屓にしとるキャバがあるんや。千夏子ちゃんなら、かなり稼げる思うで?」
「私、まだ高校生ですよ?」
「そんなん、黙っとったらばれへん。化粧して誤魔化せばええんや」
ふかしていた煙草を灰皿に押し付けた田口は、空いた手で二本の指を立てていく。
「さぁ、どうする? 今日中に百万払うか、千夏子ちゃんが働いてその身体で支払うかの、二択や。今選んでもらうで」
「っ、そんなの……」
どうしよう。そんな大金すぐに払えるわけがない。
でも働くことに同意すれば、このまま連れていかれるかもしれない。
そこでどんな目に遭わされるか、分かったものじゃない。
手のひらを握りしめて、この場でどう答えるのが最善かを考える。



