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「っ、いったぁ……」
頭がズキズキと痛む。
目を開ければ、そこは見覚えのない部屋だった。
革張りのソファに黒の大理石で作られたローテーブル。
仕事用のデスクの後ろの壁には“金は金を産む”と書かれた額縁が飾ってある。
どうやら私は、田口に薬で眠らされて拉致されたらしい。
窓の外にビルのようなものが見えるから、多分ここも、どこかのビルの一室なんだろう。
多分、田口たちが仕事をしている事務所なんじゃないかな。
「千夏子ちゃん、ようやくお目覚めやなぁ」
「田口さん……私を拉致して、何をしようっていうんですか?」
「おぉ、怖いなぁ。せっかくの別嬪さんが台無しやで?」
「ふざけないでください」
部下らしき男たちを引き連れて部屋に入ってきた田口は、煙草をふかしながらニタリと笑っている。



