「おいお前ら。この兄ちゃんの相手、してやりぃ」 田口の指示で、後ろに控えていた二人が鈴木さんに殴りかかってくる。 「っ、鈴木さん!」 「おっと、千夏子ちゃんはワシに付いてきてもらわんと」 田口に腕を掴まれたかと思えば、布のようなもので口と鼻をふさがれる。 鼻腔をくすぐる薬品の匂いに、頭がくらりとして、意識が遠くなっていく。 「ちか――さん、だいじょ、――っなせ!」 鈴木さんの声も、途切れ途切れでどんどん小さくなっていく。 そしてそのまま、私は気を失ってしまった。