「すみません。休憩中だったのに、運ぶのを手伝ってもらっちゃって」
「いえ、気にしないでください。そろそろ戻ろうと思っていたので」
合宿から帰って自分の部屋で仮眠をとっていた私は、冷蔵庫の中身が空っぽだったことを思い出し、財布とエコバッグを手に慌てて外に飛び出した。
そして、スーパーで必要な分の食材を買い込んだ。
両手でぱんぱんに膨らんだエコバッグを持って歩いていたところ、たまたま私に気づいてくれた休憩中だという鈴木さんが、荷物持ちを手伝ってくれたんだ。
鈴木さんは、尊さんと慎くんとデパートに行った時、送迎をしてくれたお兄さんだ。
強面でクールな印象だけど、こうして接してみると、礼儀正しくて優しい人なんだってことが分かる。
調子に乗って買い過ぎてしまい手のひらが限界を迎えそうになっていたから、一緒に運んでもらえてすごく助かっちゃった。
重たい荷物も軽々と運んでいるし、力持ちなんだなぁ。



