【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



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屋敷内を案内してもらうために千夏子がいなくなり、組長も退室し、部屋には跡取り候補の男たち五人のみが残った。


「千夏子ちゃんだっけ、ウケるわぁ。ああいうクソ真面目そうなタイプを相手にすんの、はじめてかも」

「あの女、頭湧いてんじゃねえのか?」


由紀に続いて、玲は眉根を寄せて悪態を吐く。


「まぁ、俺たちと対面してもビビるどころか、意味不明なこと言ってきやがったし……変な女であることに違いはねーだろ。つーか慎は、いい加減起きろよ」


一哉が頭を軽く叩けば、熟睡していた慎はもぞもぞと身動ぎする。


「いった……何。せっかく気持ちよく寝てたのにさぁ」

「何じゃねーよ。お前、ろくに話も聞いてなかっただろ」

「あー、いいよ。女はもちろん、組長の座とかも、俺は全く興味ないから。パース」


慎はふぁぁっと欠伸を漏らしながら、また机に突っ伏す。