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合宿が終わり帰宅した桐野江家男子一同は、示し合わせたわけではないが、たまたま大広間に集まっていた。

この場にいるのは五人だけで、千夏子は帰って早々に仮眠をとると言って部屋に戻ってしまい、それから姿を現してない。

いつもならそろそろ夕食の準備にとりかかっている時間だが、まだ眠っているのかもしれない。


「あ~、にしても、つっかれたなぁ」

「お前は何にもしてねぇだろ」


畳の上でだらけている由紀に、一哉が突っ込む。

すると由紀は、待っていましたと言わんばかりの顔をして口角を上げた。


「まぁ一哉くんは、千夏子ちゃんとキスまでしちゃったもんなぁ」

「なっ、お前、それは……!」

「え、何それ。俺知らないんだけど」


この中で唯一そのことを知らなかった慎は、詳しい話を聞きたそうに一哉を見つめている。