「え、来栖さんって、この前も慎くんと仲良さそうにしゃべってたよね」
「昨日なんて、二人でお昼食べてたんだから!」
「尊先輩と由紀先輩とも知り合いなのかな?」
「え~、本当にどういう関係なわけ?」
――どうしよう。周りからの視線が痛い。グサグサ突き刺さってくる、
▶無視する
▶挨拶する
▶知らない振りをする
頭の中に選択肢のコマンドが浮かび上がってきた。
この場合の選択は……。
「えーっと、どちら様ですか?」
へらりと笑って小首を傾げる。
そして、目で訴える。
――由紀さん、お願いだから、私の気持ちを察して間違えて声を掛けちゃった振りをしてください……!



