「ここからボールを一つとればいいんだよね?」 「あぁ。さっさととって戻るぞ」 カラーボールを一つとって、一哉くんとホッと息を吐く。 ――その時だった。 「ふふ、フフフ、み~つ~け~たぁ~」 木の影からあらわれたのは、長い髪を垂らした高身長の人物だった。 「っ、うおっ!」 木のすぐ傍にいた一哉くんは、驚いて足をすべらせた。 体制をくずして、そのまま倒れ込んでくる。 一哉くんの近くにいた私も、巻き込まれるようにして地面に身体を打ち付けることになった。