「それじゃあ次は九番のペア、どうぞ~!」

「九番だって! 行こう一哉くん」

「……おう」


“9”と書かれている紙を持っている私と一哉くんは、スタート地点であるホテルの裏口から森の中に向かって歩き始めた。


合宿一日目の夜。

午後のグループワークやミニテストなどを無事に終え、夕食をとり終えた私たち一年生は、レクリエーションの肝試しに参加していた。

ルートとしては、一本道になっている森の中の舗道を進んでいき、途中で設置されているボックスの中からカラーボールを一つとって、ホテルまで戻ってくることになっている。


正直言うと、怖いのはあまり得意じゃない。

テレビでやっている心霊特集なんかも、進んで観ようと思ったことはないし。