「へー、要は千夏子ちゃんは、玉の輿にのりたいってことだよね? じゃあ今度、俺が高級ブティックで好きなだけ服とか買ってあげるよ」
「そ、そんなものじゃ足りないです! 買ってもらうなら、家とか、もっとおっきいものがいいです!」
「それは別荘ってことかな? 確かウチも軽井沢の方に、小さめだけど別荘を所有していたはずだけど……」
「ち、小さいのじゃ嫌です! 東京ドームくらい大きくないと!」
一番初めに反応を示してくれた一色さんに言葉を返していれば、美波さんがプハッと噴き出す。
「ウケる。千夏子ちゃん、どんだけでっけー別荘がほしいわけ?」
美波さんのツボにはまったのか、ケラケラと笑われてしまった。
一色さんは何を考えているのか読めない表情でニコニコ微笑んでいるし、院瀬見さんと藤春さんは……あれ、引いたような目で私を見ている気がする。
それに桐野江さんは……え、寝てる?
首がカクカクしてるんだけど……あれ、完全に寝てるよね?



