そして二時間ほどの説明会を終えて、今からお昼の時間だ。

昼食はホテルの食堂で、バイキング形式になっているらしい。

人数が多いから、三つの会場に分かれて食べることになるみたい。


私と朱里ちゃんはC会場だった。

そして、慎くんと一哉くんも同じみたい。


乗車するバスは違ったし、ホールでの席も離れていたから、二人とは学校にきてから一言も話していない。

一哉くんとは、元々校内で話すことはほとんどないから問題ないんだけど……慎くんは、周囲の目なんて一切気にせずに話しかけてくるから困っちゃうんだよね。


「千夏子、私は先に席に座ってるね」

「うん、わかった」


朱里ちゃんは食べたいものをさっさと皿に盛りつけて席に戻っていった。


エビフライに、ミニハンバーグに、オムレツに、鮭のグラタン。

食べたいおかずを少しずつ盛り付けていれば、後ろに誰かが立っている気配を感じる。