まぁ、一哉くんは知られたくなかったみたいだけど……でも私は、由紀さんに教えてよかったって思うんだよね。
きっと由紀さんも、心配してもらえて嬉しかっただろうし。
それにしても一哉くんはツンデレさんだなぁと微笑ましく思っていれば、由紀さんとの言い合いを止めて私の顔を一瞥した一哉くんが、不機嫌そうな顔をして手をのばしてきた。
今朝のことを思いだした私は、ハッとして両手で頬をガードする。
また引っ張られるのは阻止したい。
「あ、そういえば千夏子ちゃん。さっきの質問、皆にもしたらいいんじゃねーの?」
一哉くんを揶揄って満足したらしい由紀さんに提案されるけど……質問って、何のことだろう?
「私、何か質問なんてしましたっけ?」
「ほら、俺らの好みの話」
「……あぁ」
確かに、この機会に確認してみてもいいかもしれない。
性格を変えることはかなり難しいと思うけど、好みの外見とか好きな服装とかを教えてもらえたら、色々と参考にもなるし。
もしかしたら好みの女性ついて、もっと深い話を聞けるかもしれない。



