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出来上がった料理を大広間に運んでいれば、玲くん、一哉くんと桐野江家男子たちが集まってきた。
尊さんが慎くんを起こしてきてくれたので、これでいつものメンバーが勢ぞろいだ。
「由紀くん、ふっか~つ」
由紀さんがピースサインを作ってそう言えば、一哉くんなんかは露骨に嫌そうな顔をしている。
「はぁ、うるせぇのが回復しちまった」
「とか言って、俺のためにわざわざスポドリを買いに走ってくれたんでしょ、一哉くん?」
「っ、おい千夏子。俺が買ってきたってこと、由紀に言ったのか!?」
「言ったけど……だめだった?」
「当たり前だろ!」
「え、どうして?」
「コイツが調子に乗る」
一哉くんがビシッと指をさした先にいる由紀さんは、ニマニマと笑っている。
これは……確かに調子に乗っているのかもしれない。
一哉くんを揶揄う気満々って顔をしているし。



