ちなみに、今朝の献立は、白米と豆腐のお味噌汁に焼き魚、昨日の夕食の残りの煮物だ。
だけど病人が食べるには少し重いだろうし、病人食といったら定番のおかゆでも作ろうかな。
由紀さんはアレルギーとかはなかったはずだし、好き嫌いも……まぁ多分ないだろう。
さっと作った卵粥にネギを散らして、林檎を食べやすいサイズにカットする。
一哉くんが買ってきてくれたスポーツドリンクは冷蔵庫で冷やしておくことにして、薬を飲む用の水やら体温計やら、必要そうなものも一緒にお盆にのせる。
「由紀さん、起きてますか? 入っても大丈夫ですか?」
「……んー、だいじょうぶ」
ノックして部屋の外から声を掛ければ、聞こえてきた由紀さんの声は、いつもより覇気がなくて弱々しい。
部屋に入れば、ベッドの上で布団にくるまっている由紀さんの顔は、熱があることがすぐに分かるくらい真っ赤に染まっていた。



