「慎くん、女の子にブサイクとか、あんまり言わない方がいいと思うよ?」
「えー、何で? 本当にそう思ったから言っただけなんだけど」
「……慎くん、デリカシーって言葉、知ってる?」
むくれていたら、玲くんがフォローしてくれる。
「千夏子さん、慎の言葉なんて気にしなくていいですよ。俺は千夏子さんがどれだけブサイクだとしても、千夏子さんが素敵な女性だって知ってますからね」
「う、うん。ありがとう、玲くん」
そう言ってくれる玲くんの言葉は嬉しいんだけど……でもそれって、玲くんも今の私の顔を見て、ブサイクだって思ったってことだよね?
ちょっぴり複雑な気持ちになりながらも、私は気持ちを切り替えて由紀さん以外の四人の男子たちに声を掛ける。
「と、とりあえず! 私は由紀さんにおかゆでも作ってきますね! 食べ終わったら、いつも通り食器は流しに付けておいてください」
私は一足先に食事をすませていたから、自分の分の食器を流しに持っていって、由紀さんの分の朝食を用意することにした。
慎くん以外の三人は、おかわりに突入するみたい。いっぱい食べてもらえて何よりだ。



