【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「……何だよ、その顔は」

「ん~? ふふ、一哉くんは優しいなぁって思ってるだけだよ」

「……何かムカつく」

「えっ、い、いはいほはふはふん……!」


微笑ましい気持ちで見ていたら、一哉くんに両頬を思いきり引っ張られてしまった。

助けを求めようとしたら、背後から近づいてきた誰かの顎が、肩にのせられたのが分かる。


「何二人で遊んでるの? 俺も混ぜてよ」

「ひ、ひんふん……!」

「ぷっ、千夏子、何その顔。すごいブサイクになってるよ」


私の顔を見た慎くんは、堪えきれないといったように笑みを漏らす。


(……え、人の顔見て笑うなんて失礼すぎない? しかもブサイクって言ったし!)


一哉くんに解放されたので、私はひりひりする頬を両手で抑えながら、慎くんをジト目で見つめる。