私は一哉くんの言葉を信じて、木の上から飛び降りた。
ふわりと身体が浮く。
そして、重力によって一気に落下する。
衝撃を覚悟して固く目を閉じていたけど、温かな体温に包み込まれたことで、想像していたような痛みや激しい振動は感じなかった。
そうっと目を開ければ、視界いっぱいに一哉くんの顔が飛び込んでくる。
「……重い。腕やったかも」
「え、ウソ!? ご、ごめんね、もしかして腕折れた!? 救急車呼ぼうか……!?」
「ぷっ、ウソだよ。そんな柔じゃねーし」
慌てて一哉くんから距離をとって、異常はないかとその身体に視線を巡らせる。
慌てふためく私を見て、一哉くんは小さく噴き出した。
……どうやら私の反応を見て、楽しんでいたらしい。



