【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「受け止めてやるから、そのまま飛び降りてこい」

「飛び降りて……? って、無理無理! 一哉くんがつぶれちゃうから!」

「ならお前、ずっとそこにいるつもりかよ」

「も、もう少しだけ待ってもらえれば……」

「いつまで待たせるつもりだよ。そろそろ帰らねぇと、夕飯の支度に間に合わないんじゃねーの」

「うっ、それは確かに……」


澄み渡っていた青空は、すっかり夕暮れ色に染まっている。

慎くんのリクエストで、今日はグラタンを作る予定だ。

一哉くんの言う通り、そろそろ帰って作り始めないと間に合わないかもしれない。


「いいから、早くしろよ。……んな不安そうにしなくても、お前一人くらい余裕で受けとめられるから」

「……分かった。それじゃあ、せーので飛び下りるからね。いくよ、せーのっ!」