【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「あの、ちなみに、他の女性の方たちはどちらにいらっしゃるんですか?」


一向に姿が見えないことが不思議で尋ねてみれば、組長さんは苦い笑みを浮かべる。


「いやぁ、実はな……どうやら皆さん、辞退しちまったようだ」

「じ、辞退ですか?」

「つーか、単にこの家にビビったんだろ?」


美波さんが笑いながら、付け足すように言う。


――ビビった。

それはつまり、極道(ヤクザ)の家にってことだよね?


「まぁ、そういうことだな。ったく、オマエらの素行が悪いから、お嬢さん方に怖がられるんだろーが」

「あはは、すみません」


組長さんの叱咤の言葉に、一色さんが軽い調子で謝罪する。