【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



暇潰しのゲームで勝つために、いつも通りの猫をかぶって近づいただけだ。

落としたら終わり。

それだけのはずだったのに……ほんの一瞬でも可笑しな考えを抱いてしまった自分に、違和感を覚えた。


――千夏子の泣き顔は見たくない、だなんて。


(別に、アイツが泣こうがわめこうが、俺には関係ない。アイツを落として、ゲームに勝つ。そしたら正体をばらして捨てればいい。いつものお遊びだろ)


玲はそう自分に言い聞かせながら、目元を腕で覆い隠した。

そして考えることを放棄するかのように、暗闇の世界に沈んでいった。