「今、君たちの話を聞いてたけど、私は全然楽しくなかったよ。むしろ嫌な気分になった。私は玲くんと行くところがあるから、用がないならもう行ってもいいかな?」
尋ねれば、男子高校生たちの笑い声がピタリと止まる。
「えっ、え~、お姉さん怒ってます?」
「あはは、ちょっとした冗談じゃないですか。そんなマジにならないでくださいよ」
「冗談? 君たちは冗談で人の境遇についてあれこれ言うのが楽しいの? 私は全然理解できないから、君たちとは合わないと思う。あと、私はメリットとかで一緒にいる人を選んでいるわけじゃないから。……玲くん、行こう」
胸の中で沸々と煮立っている感情を、捲し立てるようにして吐き出した。
ポカンとしている男の子たちを置いて、私は玲くんの手を引いてその場を後にする。



