「おいおい、無視すんなよ~。オレらクラスメイトじゃん?」
「っていうかその可愛いお姉さん誰? 高等部の制服だけど、もしかして藤春の彼女とか?」
「ちわーっす!」
わらわらと集まってきた男子中学生たちに、あっという間に囲まれてしまった。
だけど玲くんは、それさえもガン無視して歩き出そうとする。
目の前にいた男の子の一人は、そんな玲くんの態度が気に入らなかったのだろう。
苛ただしげな様子で突っかかってくる。
「おい、無視してんじゃねーよ!」
「……」
「な、何だよ……」
だけど玲くんは、それさえも完全無視だ。
無表情で男の子たちを見つめている。
そんな玲くんの態度に、男の子たちは狼狽えていたみたいだけど、気を取り直した様子で口を開く。



