その息尽きるまで時間は無限

がららららっ、という、扉を開ける音が静かに聞こえた。



濡沢との視線の糸がほどける。

背中が冷や汗でびったびただった。



「真!体調は大丈夫?」

「………母…さん。」



扉を開けた者は、母さんだった。

恐怖で体温の下がった俺の頬を撫でる。

「矢田さわ、お母さん来たから、家に帰って安静ねしてくださいね。」

「…はい。」


母を案内したであろう担任がいう


「濡沢さんも教室に戻っていて。荷物運んでくれてありがとう。」


「はいっ、全然大丈夫です。」


さっきの笑みとは違う、上目遣いの笑顔を担任に向ける狼、もとい濡沢。


俺には、その笑顔が仮面に見えた。


でも、その仮面はすごく精巧だった。