クラスメイトと帰るなどいつぶりだろう。

ランドセルを背負い直し、セーラー服の入ったビニール袋を持ち替える。


…………………沈黙。


遠くからトラックの走る音が聞こえた。





「ねえ」




口を開いたのは、七晴だった。

「…なに」

固く返事をする。

「あのさ、衣ちゃん」

七晴の一言は、衣を夢から引き戻した。