床に散乱したお菓子はそのままにして、ベッドの脇にあるクッションとぬいぐるみの山に寝転ぶ。


スマホを開いて、録音の記録をみた。


5分のファイル。


「これ、どーしよっかなー」


せっかく手に入れたんだ。

決定的な現場を。


衣ちゃんのことを考える。


衣ちゃんのためにっ、使いたい!!





……ーーーーークロは、あたしは、国会議員、七晴隼の、〇〇会社社長、七晴沙結の、大事な、一人娘。




口角が上がる。






「衣ちゃんのために、使わなきゃっ!」