視界が滲んだ。

払うように、地面を蹴った。

風では吹き飛ばなかった。


あふれた。


だめだった。



なんかもう、全てダメだった。






ひどかった。



鼻の奥がツーンとする。


喉が震える。

風とは正反対に、熱かった。





「ふは、ふふ、ふふ」





ズビズビ鼻が鳴っているのに、自分を鼻で笑った。