瞬時に後ろに下がって、ひったくるように荷物をつかむ。




そのまたすぐ後ろに、扉がある。



ドアノブに手をかけ、逃げるように、いや、逃げる。







「えっ、まっことくんっ」



驚いて声が変になる七晴の声。聞きたくもなかった。




精神がもしかしたら弱くとも、体力は元々いい。

瞬発力を持ち合わせていてよかった。








俺は、七晴の部屋から出て、走っていた。逃げていた。








ただ、少しここから、目の前のもんだい。





この家、クッソ広い。

アホな妄想をしてたから、道を覚えているかどうか。