その息尽きるまで時間は無限

『真くん、それ、食べたい？』

スピーカーから、少し沈黙のあとに七晴の声が聞こえた。


『そういうわけじゃねえ』

はっきりと、俺の声も聞こえた。



しばらく、ついさっきまでしていた会話と全く同じのが流れている。
















『それに比べて、真くんは、キツネでしょ』





5分前の、セリフ。







『ドン』




音が聞こえた。








そっからは、ずっと『ガン』『ドシャン』みたいな音が続いている。



そして雑音。







プツッと、止まった、






五分間、律儀に聞き続けた俺は偉すぎると思う。




よく耐えたな、俺。