ずっと歩いて、ようやく七晴が立ち止まる。

「着いたよ！クロの部屋！」

家の中を、俺がアホな想像を始めるほどたくさん歩き、やっと七晴黎の部屋に着いた。

扉の前には、『くろいの部屋』と、俺が持っている住所のメモの字とは違う、とても綺麗な手書き文字がプレートに書かれていた。
字の周りには沢山の花や有名なゆるキャラのイラストが。

「クロの部屋だから、自由に入って使ってね！あっ棚はだめだから！引き出しも！」

「そりゃそうだろ…」

中に入ると…



メルヘンチックで、それこそアニメに出てくるような、お姫様の部屋のような…部屋。


ベッドは外見の時点でふわっふわで、たくさんの人形にあふれている。

カーペットやクッションはピンク系統。

本棚には沢山の漫画。

勉強机には、やたらメルヘンで派手な鉛筆や消しゴム、マーカーが。

とにかく、アニメのお姫様のように、メルヘンチックで、ピンクで、男の俺が入るのは少し気がひける部屋。