にこっと笑った彼女は、また前を向いた。

「うちには、今ほとんど人がいないから安心してね!親もいないし!」

“いま家に親がいない”など、(過去のことを除けば」かなりの美少女である七晴が男子に言ったら、男子は狂喜乱舞し、小学生ということも忘れ、危ない遊びを始めるだろう。

でも、俺は別の意味で喜んでいた。

両親がいないだけで、重圧はかなり減る。

内心、先述とは別の意味で狂喜乱舞。

俺なんかがそもそも七晴に興奮などしない。

何も知らないクラスメイトは危ういかもだが。
それこそ、そういう遊びをしだすかも。


小学生の少ない知識で謎の想像をしていると、恐怖は和らいだ。
アホに勝つものは中々ない。