家へ入ると、無数の高級そうな置物。

どれも何千万はしそうで、近づくのすら避けたい。

床や壁は、本当に人が生活しているのかというほど、白くて綺麗だ。

そんな白い床を、これまた綺麗なスリッパで歩む。

「…静か…だな…?」

こんな広い家に、もしかすると、俺と七晴しかいない…?

俺の呟きに反応した七晴は、前を向きながら言う。

「今日はママもパパもいないの!オテツダイさんくらいしかいないよ!あとはゴエイさんとか?」

まるで当たり前かのように言う。

「はあ…、なる、ほど?」

「ん?なんかまだある?」

こっちを振り向いて、こてん、と首を傾げる七晴。

「や、何も」

「そっか!」