恐怖など忘れ、驚きで頭がいっぱいだった。

(こんな大豪邸が…この街にあったのか…)

またポカーン。

庭だけでも、俺の家が何百も建ちそうだ。

家は…本当に城。
一体何があるのか。

立派な門もある。

門の中には、俺の家何個分かのガレージと思わしきもの。

一体何台の車が入るんだ…?

何坪…あるんだ…。

何分くらいそうしてポカーンとしていたのかはわからないが、ずっとそうしていると、奥の城…もとい、奥の重そうな扉が開いた。

「あっ真くーんちょっとおそいよー!」

七晴黎がでてきた。

華奢な体で、扉を支えている。

もちろん、いつもみているセーラー服ではなく、完全に私服といった感じで出てきた。

無論、俺も私服だが。